テナントカンパニーの床洗浄技術にAIを融合 日本の清掃業界では昨今、人手不足が大きな課題となっています。
床清掃機・洗浄機のグローバルメーカーのテナントカンパニーでは、課題解決を図るべく、清掃ロボットの開発に取り組んできました。開発の焦点は主に2点になりました。
1つは商業施設に置いて、スムーズに衝突することなく稼働する清掃ロボットであること。
商業施設は催事によって頻繁にレイアウトが変わったり、什器・備品の点数が多かったりと、衝突することなく安定的に走行することは難しい面がありました。
そしてもう1点は、問題が起こっても現場でルートの再設定ができること。
それを踏まえ、テナントカンパニーでは、従来から洗浄力に定評のある搭乗型スクラバー「T7」に、ソフトバンクロボティクス株式会社の自動運転洗浄機向けのサービス「AI清掃PRO」を使用することで、「Autonomous(自動化)」「Mobile(移動性)」「Robot(ロボット)」の特性を加えた「T7AMR」を仕上げ、自律清掃技術(自動走行技術+自動清掃技術)、高い洗浄性能、高い安全性と3拍子がそろった、革新的な業務用清掃ロボットが誕生したのです。
以下、「T7AMR」ならではの特徴、メリットをご紹介します。
● AIによる自律清掃(自動走行+自動清掃)
ソフトバンクロボティクス株式会社の自動運転洗浄機向けのサービス「AI清掃PRO」の使用により、ティーチング(学習)方式による自律清掃が可能です。これは、最初に人による運転で清掃ルートを記憶すれば、以後は記憶されたルートを自律清掃(自動走行+自動清掃技術)する技術で、細い通路などを含む複雑な清掃環境においても、スムーズな走行を実現します。
ルート設定も、これまでのように事前に現場の図面をパソ��ンに取り込む必要はなく、現場での設定・再設定が可能。シンプルかつ直感的な操作で、オペレーターにとって扱いやすいものとなっています。オペレーター自らがルートの再設定ができるので、催事のレイアウト変更などのイレギ��ラーな状況にも随時、最適な走行・清掃を実現。作業の効率化や改善にもつながります。
またティーチングに加え、3Dカメラやセンサーによるセンシング技術(情報収集)が、優れた障害物回避能力を発揮。人や物などの障害物があっても避けて進み、元のルートへと戻ることができます。
自動走行によるメリットだけでなく、ロボットによる「正確な」清掃がおこなわれることで清掃品質の標準化のメリットも期待できます。
「AI清掃PRO」は、ソフトバンクロボティクス株式会社が提供する自動運転洗浄機向けのサービスであり、「BrainOS」等を清掃の現場でご利用頂くためのサービスです。
●高い「洗浄性能」。少ない吐水で広範囲の清掃が可能。
テナントカンパニーの清掃ロボット(床洗浄機)「T7AMR」は、高い洗浄機能を備えています。
洗浄には洗剤を使用せず、電解水とナノバブルで洗浄するテナントカンパニー独自の洗浄技術である「ec-H2Oナノクリーン」を採用しています。
これは、床洗浄機本体内で水を電解して得られるナノバブルと電解水を洗浄液として活用する先進のテクノロジーで、洗剤不要になります。この高い洗浄力により、水の使用量を抑えられる上、長時間の洗浄が可能になります。よって稼働中の給排水や充電も不要で6000m2の広範囲の清掃が可能になります。
さらに、汚水の回収にはアーチ状のパラボラ型スクイージーの採用と、水と空気の流れを解析した設計により、ほぼ100%の汚水回収を実現させました。
また優れた汚水回収機能により、狭い場所での方向転換も、スリップや転倒のリスクを最小限に抑えることができます。
(後編へ続きます)
(後編はこちら)